― 空き家活用・農業のお手伝いを通して、地域の課題と魅力を感じてもらう ― 体験後も連絡を取り合う関係に発展する学生に出会えました【由良町地域おこし協力隊】

日本各地の大学生と和歌山県内で地域体験を提供する個人・団体をつなぐ、地域体験マッチングアプリ「わかやまCREW」。2021年の事業開始以来、体験学生は、大阪府、東京都、沖縄など様々な地域から参加されていて、マッチング件数は200件以上になりました。(2024年7月現在)

地域体験を掲載している受け入れ先(ホスト)は、わかやまCREWをどういった場面で活用しているのでしょうか。ホスト登録・プログラム掲載の一助として、利用されているホストの声をインタビューしました。

今回、学生の申し込みが多いホストの一つとして、由良町地域おこし協力隊の鈴木亮哉さんに、わかやまCREW利用体験談を伺いました。

「わかやまCREW」に掲載したきっかけは?

愛知県出身の鈴木さんは、由良町地域おこし協力隊として2022年4月に着任されました。
町内の空き家を改修して、地域資源を活用した体験プログラムを組み合わせた宿泊施設を開業することをミッションに活動されており、現在2軒の空き家を改修中です。

鈴木さんがわかやまCREWを知り掲載に至るまで、どのような経緯があったのでしょうか。
「県の施策の空き家バンクの研修会であったり、県職員の方からの紹介でわかやまCREWを知りました。学生を受け入れることで、今後、宿泊施設を開業することを見据えた受け入れの練習になると考えました。また、体験最終日にアンケートを実施し、宿泊とお手伝いを体験して出てきた感想・意見を集めることで、今後の活動方針の参考になると考えました。」
空き家の改修を荷物の片づけから天井・床・壁の解体、塗装など全て一人でこなされている鈴木さん。驚いたことに、改修はYouTubeや近所の大工さんなどから聞いて、独学でされています。

体験プログラムを掲載する際に工夫されたことは?

わかやまCREWでは、ホストが自ら体験情報のページを作成いただきます。鈴木さんが掲載にあたり、何か心がけたことはありますか?

「参加された学生の8割が県外の方になります。県外から由良町に来られる方に向けて、前泊が可能なことを明記していることが要因だと思われます。また、宿泊場所、朝食・夕食をお返しとして提供しており、なるべく学生の負担を減らすように心がけています。加えて、由良町の魅力を知ってもらいたいので、体験プランに地域の観光案内を組み込んでいます。」

わかやまCREWの登録学生490名のうち、約6割が県外の方になります。(2024年3月時点)
遠方から来られる学生も多いことから、駅と活動場所までの送迎や宿泊等の記載があると、体験に対する学生の不安も和らぎますね。

観光案内を組み込んでいる白崎海洋公園

わかやまCREWを利用して良かったことはありますか?

鈴木さんは2023年6月より受け入れを始めて、15名(男性6名、女性9名)の方が体験されました。(2024年7月時点)これまでの利用で良かったことはありますか?

「わかやまCREWを利用したメリットとして、事務局が学生に対して保険をかけてくれる点、地方に興味のある学生と繋がれた点だと感じています。また、利用した当初の目的であるアンケート収集、受け入れの練習ができたことはもちろん、体験後も連絡を取り合う関係に発展する学生に出会えたことが良かったです。個人的にやり取りが続いており、来月、友達も連れて由良町へ遊びに来てくれると連絡がありました。」

地域体験を通じて、鈴木さんの熱意・人柄や由良町の魅力が伝わり、その結果、リピーターに繋がるファンを獲得している印象を受けました。

わかやまCREWを利用して、苦労したことや課題はありますか?

多くの大学生を受け入れてきた鈴木さんだからこそ、経験したデメリットはありますか?

「受け入れ前の話になりますが、連絡が途絶えてしまう方がいます。こちらも食材の手配があるので、来られないなら一言連絡がほしいですね。幸いなことに会員登録時の連絡先は分かりますので、こちらから連絡してキャンセルするなど対応しています。
あとは、お手伝いしてもらいたいホスト側と「学び+旅行」が目的の学生側との趣旨のズレを感じることもありました。ホスト側は人手不足解消の目的だけで、わかやまCREWを利用するのではなく、何かしら大学生を受け入れるメリットを自分なりに考えておいたら良いと思います。」

今後の展望についてお聞かせください。

空き家の改修は今年度までで、2025年度には宿泊施設を開業予定の鈴木さん、最後に今後の展望についてお聞かせください。

「宿泊施設を開業した後は、宿泊の他にイベント(地域体験、DIY、交流会)を定期的に開催したいと考えています。また、地域事業者と連携して、宿泊施設以外の空き家活用(コミュニティスペース、シェアハウス)を考えていきたいです。」

宿泊施設を開業して、お手伝いしてくれた大学生の子達が再度利用してくれると嬉しいですねと語る鈴木さん。今後も熱意をもって由良町の魅力を発信される鈴木さんをわかやまCREWは応援しています。

鈴木さんのお気に入りのスポットは、改修中の空き家から戸津井漁港を一望できる風景。
宿泊者にもこの風景を眺めてもらえるよう、お庭にデッキを作ることも計画中だそうです。
戸津井の夕日は、和歌山夕日100選に選ばれています。


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